◆出会い◆プリアサ


その日、彼と出会った。


■出会い。


シーフになり1年が経った日の事。
そろそろウルフを狩るのも飽きてきたので、何処か良い狩場はないか?と所属しているGのマスター、巴に相談してみた。

「狩場?オレが知る訳ないだろ。半製造だぜ、ウルフ行っとけ」

溜り場の机で作業中のマスター。
オレは忙しいんだよ!適当にどっか言っておけば良いだろ、と思いついた狩場を本当に適当に言われた。
だから、そのウルフに飽きたと言っただろう?

「兄さんダメですよ、ちゃんと相談に乗ってあげなくては」

助けを出してくれたのはGマスターの弟、静希。
まだ剣士になったばかりなのに、マスターよりしっかり者な気がする。

「志貴さん、今Fleeいくつですか?」

静希にそう聞かれたので答える。

それなら…

と教えて貰った場所に来て一時間。
持ってきた赤ポーションは底を尽きかけている。

教えて貰った場所はゴブリン村。
いくら回避が足りていようが、湧きが酷過ぎて休む暇が無い。

斬っても、斬っても、何処からか絶え間なくゴブリンが出でくる。
赤ポも切れたし、そろそろ帰ろうか?なんて思っていた所に、5匹位ゴブリンが群がってきた。

「ハエっ」

ハエの羽で飛ぼうとした瞬間、目の端にアコライトの格好をした人物が見えた。

ダメだ…ここで飛んだら流れる。
だが自分が倒れても同じ事。
群がってきたゴブリンの数が増えていく。
体力が半分位になった時

「ヒール!速度、ブレッシング」

次々かかっていく支援魔法。
助かった。

「ありがとう」

群がっていたゴブリンを全て倒した後、支援をかけてくれたアコライトにお礼を言う。

「いえ、僕こそ済みませんでした。もっと早く支援したかったんですが、こっちにもゴブリンがいて…ソロで狩りですか?」


それが彼との出会いだった。