◆日常◆プリアサ


「志貴、お前今日も調印狩りにいくのか?」
「ん?そのつもりだけど」


■日常

こいつと出会ってから半年が過ぎた。
出会ったのはアコ時代、志貴がゴブリンに群がられていた時。
無いSPでなんとか支援をかけて助けたのがきっかけで、つるむようになった。
あの時はまだアコだったから猫を被っていたが、こいつ…志貴の前では作らなくていい。
心の何処かで安心していたのだ。

志貴はアサシンに、俺はプリーストになった。

転職して暫らくは一緒に狩りに行っていたのにだ、こいつ…

「毎日、毎日、よく飽きないな」
「何でか飽きないな、俺このまま転生できるまでヒルウィンド狩るんだ」

これだ。
俺は盛大な溜息を吐く。
そう、この頃こいつはずっーとソロで調印ばかり狩りに行っている。
収集品、経験値がいいのは認める、だが!

「俺、お前の相方だと思ってた」
「ん?俺もベテルの事、相方だと思ってるけど…違うのか?」

「だったら、ここにプリがいるのに少しは頼れ!」
「う…」

目の前の志貴が俺から目を逸らす。

「志貴?」

少し困った表情?

「一緒に行ってベテルが傷つくのが辛い」

ボソッ
っと、聞こえるか聞こえないか位な小さな声で志貴が呟いた。
俺が傷つくのが嫌だ?

ペチ

志貴の頬を軽く叩く。

「べ、ベテル?」
「俺もお前が怪我するの嫌なんだよ、一緒な気持ちだって気付け!」
「え」
「怪我したら俺が治してやるから、一緒に行くぞ」
「あ、あぁ」

半ば強引に志貴の手を引き、溜まり場の部屋を出て行く。
向かった先はウンバラ。







「なぁ、ベテル…」
「ん?」

俺達の前には、可愛い少女の格好をした敵や兎のぬいぐるみのような敵が集まってきていた。
数は7匹。

「お前…そういえば殴りだったよな?」
「すまん、あんなカッコいい事言っておきながら…SP切れた」

2人ともAgi職。
この数来たら捌ききれず…以下略。

プロンテラに帰る。

「すまない志貴、あんな事言っておきながら」
「気にしてない、俺も悪かった」
「お前が謝る必要ないだろ?」
「今日久しぶりに楽しかった、今度からやっぱり一緒に狩りに行こう」

そう言って微笑む志貴。
むっ?
何か…こうムズムズする。

「ベテル?」
「あ、あぁ。やっぱり転がっても2人の方が楽しいよな」

今度は何処行こうか?
なんて話す志貴と俺。

これが日常の風景。